フッ化物配合の歯磨き粉の使用基準が変更されます

4学合同でフッ化物配合歯磨剤の利用方法を変更

フッ化物は虫歯予防のために非常に重要なもので、歯磨き粉の多くに含まれています。日本は海外と違ってフッ化物の濃度が低く、海外基準に合わせるべきだという意見が以前からありました。少し前にフッ化物の最大濃度が1450ppmFに引き上げられたのもその一貫です。しかし、特に幼児、小児期でのフッ化物濃度や量、高齢者での根面にできる虫歯へのフッ化物濃度について海外との差が認められていました。

今回、口腔衛生学会、小児歯科学会、保存学会、老年歯科医学会の4学会が合同で「4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」を発表しました。これで海外の基準に近い形になりました。

今までとの違い

いままでの使用方法は厚労省のサイトから引用しますが、以下の様になっていました。

量と濃度が変更され、4段階が3段階になったため、非常に分かりやすくなりました。500ppmFの歯磨き粉を今までは5歳ぐらいまでのお子さんには勧めていましたが、これからは1000ppmFをお勧めすることになります。

6歳以上はもう大人と同じです。昔は歯磨き粉は少しで良い、と教えていましたが、今は量が少ないと口の中に残るフッ化物の濃度が低すぎるため効果が弱いという事がわかっています。そのため、できるだけたっぷり使用するのが正しい使い方です。

また、チタン製歯科材料が使用されている場合でも、歯が有る場合にはフッ化物配合歯磨剤を使用する、という記載があります。インプラントにフッ化物が悪さ(腐食させる)をする可能性から、インプラント治療を行った後にフッ化物の歯磨き粉を使ってはいけない、という考え方がありました。しかし今では、インプラントが入っている場合でも、中性の歯磨き粉であれば大きな問題は無い、という考え方になっており、それが明文化されたものになります。

当院の考え方

海外の基準にできるだけ早く合わせて欲しいと思っていましたので、今後は新しい基準に合わせた指導を行っていきます。

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